避難安全検証法について避難安全検証法を利用する上での注意点

避難安全検証法は20年間運用されてきましたが、未だに審査機関や地方による解釈の違いが大きいようです。私たちがこれまでの経験から体得した避難安全検証法を利用する上での注意点や問題点を列挙します。一つの意見として受け止めていただければ幸いです。

1. 建て主の方へ

  • ・ 設計者が告示の問題点を理解して安全性を確保した設計を行っているか確認が必要
  • ・ 竣工後、用途変更や間仕切変更を行う場合、再検証が必要
  • ・ 設計者や施工者が、再検証の必要性を理解して資料をしっかり保管しているか否か。例えば誰が何時どのように検証したのか、外注で検証計算を行った場合はその連絡先等、あらゆるバックデータの取得が必要
  • ・ 改装時になって施工者や設計者に問い合わせても、資料が破棄されていたり、バックデータの開示を拒否されることも少なくない
  • ・ 検証は、確認審査機関によって解釈の違いが生じる
  • ・ 検証の解釈は時代により変化する

2. 設計者の方へ

  • ・ 検証法上は合法なのに、危険な設計になることがある
  • ・ 告示に記載されていない用途の室の在室者密度や積載可燃物の発熱量の設定は、審査機関と事前協議が必要とされる
  • ・ 将来の改修に備え、検証データの保管が必要
  • ・ その場限りの対策で強引に審査機関を言いくるめてしまうと、将来、改装時に、間違いなく影響が生じ、苦労するばかりか信用まで失うことになる

3. 審査機関の方へ

  • ・ 煙伝搬経路について、審査の見落としが多く見かけられるようです
  • ・ 不必要に在室者数を増やし、積載可燃物の発熱量を大きくしても、安全性能は上がらないばかりか、設計者の過小申請を助長するだけではないでしょうか
  • ・ 
    避難安全検証法(ルートB1)は、告示に示されている検証をクリアしても、非常に不安全となる場合があります。以下のようなケースです
    • 1. 避難途上の煙降下を評価しないため、階出口で煙に曝されない結果となっていても避難途上で煙に曝される
    • 2. 建物の耐火時間を超える避難完了時間でも検証上はOKとなる
    • 3. 出火室を通じての避難が評価されている
    • 4. 避難階の階段出口が火災室である場合、そこで出火すると階段が利用できない
  • ・ 消防法の基準で建築基準法を評価されることがあります

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