(55)SED活用法(13) メゾネット階段・建具の上下合体
2025/09/01
SEDをもっと活用できる便利機能について、今回は「メゾネット階段」そして「建具の上下合体」についての解説です。
メゾネット階段とは
メゾネット階段とは、「避難安全検証法(時間判定法)の解説及び計算例とその解説(日本建築センター)」P68の図3,4-3に示されるような、居室検証対象の居室を通らなければ避難できない居室が他の階に存在する場合に利用する階段です。簡略化したのが下図です。
解説書では、居室歩行時間を算出する際、居室内に異なる歩行速度の部分がある場合の解説として、2階からの経路がある場合が記載され、これは2階に1階の居室内居室が設置されていると読み取れます。その対応として、SEDでは、居室検証を行う際、他階に階段で通じている居室が設置されている場合「メゾネット設定」を使った検証が可能です。
下図の場合、2階居室(B)の在室者は1階居室(A)を通らなければ避難できません。居室(A)の居室計算を行う場合、居室(B)及び階段部分を居室(A)の居室内居室として計算します。SEDでは、このように室をつなぐ階段を「メゾネット階段」と呼んでいます。
避難開始時間は、居室(A)、居室(B)、階段有効面積の合計から求めます。歩行時間は、居室(B)内の歩行時間、階段内の歩行時間、居室(A)内の歩行時間の合計で求めます。
設定の方法
①メゾネットと設定する室と階段を選択します。
②右クリックで表示されるコンテキストメニューから[メゾネット設定]を実行します。
メゾネットと設定された室と階段が青線で囲まれ、メゾネット設定が完了します。
利用上の注意事項
・SEDではこの機能を利用した検証実績が数多くありますが、他階に設置された室を居室内居室と捉えられるか否かは、検査機関により解釈が異なる場合があります。事前に協議した上で利用してください。
・階段の不燃区画について問われる可能性があります。階避難安全検証を利用する場合、竪穴部分の区画が必要ですが、居室内の階段においても同様に扱われる可能性があります。
・他階の在室者が同時に避難開始できないと判断される場合、計算対象の室で火災が発生した際の安全性能の確認の方法は告示510号には示されていません。個々の協議によることになります。
煙高さ判定法(ルートB2)告示475号では、直接扉が面していない居室内居室の場合、火災情報の伝達の遅れを考慮し、避難開始時間に3分を加算することが明確に示されています。
建具の上下合体とは
SEDで開口部を入力する際、1枚の建具に複数の建具性能を設定することはできません。
下図のような場合、SW1とSD1をそれぞれ別々に入力します。するとHlimはそれぞれの建具の中心位置の高い方となるため2,650mmとなります。
防火性能の異なる建具を入力したいため、高さの違う2枚の建具を入力した結果です。告示の解釈では、SW1とSD1を1枚の建具と捉え、その中心をHlimとしても差し支えありません。このような場合、建具の合体設定をすると以下のように計算できます。
設定の方法
①合体する建具を選択します。
※所属室が異なる扉は合体できません。所属室は同じとしてください。
②右クリックで表示されるコンテキストメニューから[建具合体]を実行します。
③建具合体の説明文を確定します。
建具合体設定された建具の周囲に黒線が表示されます。カーソル上に建具合体の説明文字「上下一体」が表示されるので、表示したい位置にマウスを移動し左クリックで表示位置を確定します。
※離れた場所に設置された建具の合体を行い、Hlimをその全体の高さから求めることは告示解釈上できません。この機能は1枚の建具の上下で防火性能(一号・二号)が異なる場合の機能です。
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本コラムで用いたSED Ver3.1.33.3
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