避難安全検証法に関わる内容/告示解釈・考え方階の安全性能が確認できない(ルートB1)
最終更新日:2022.08.11
避難安全検証(ルートB1)を採用しようと検討しているのですが、どうしても安全性能が確認できない階があります。どうすればいいですか?
避難完了時間を短く、煙降下時間を長くする方法を検討するのは居室の検証の場合と同様です。
ただ、居室の検証に比べ、階の検証では様々な要素が影響するため検討範囲が広くなります。
また、避難階と避難階以外とで対応策は変わってきます。
避難階の場合
①避難完了時間を短くする
・避難開始時間:室面積で決まるため、短くするのは基本的に困難。
・歩行時間:地上への出口をバランスよく配置し、歩行距離を短くする。
・出口通過時間:扉幅を拡大する、設置数を増やす。
これらを組み合わせて検討しますが、大規模な建物では大幅に短くするのは困難です。
また、法令上の制限はありませんが、避難完了時間は概ね30分以内に納まるように計画します。避難安全検証法は初期火災を想定したシステムなので、盛期火災になるまでに避難を完了する必要があります。
②煙降下時間を長くする
階煙降下時間は、出火室から階出口が設置された室への煙伝播によります。
・出火室に設置される煙伝播開口部を防火設備とする
・出火室の内装の種類を煙発生量が少ない不燃内装にする
・煙伝播経路室の天井高さを上げる
・煙伝播経路室に排煙設備を設置する
これらを組み合わせて検討していきます。ただし、階出口の手前に前室を設置し、前室への開口部を防火設備にする対策は、合法的であっても、避難途上で煙に巻かれる可能性があるので行わないようにしましょう。
避難階以外の場合
基本的には避難階と同じですが、大きく異なるのは、出口通過時間を短くする方法です。
避難階以外で出口通過時間を短くするには、地上に通ずる出口と階段を同時に増設する必要があり、簡単なことではありません。単に階段への扉幅を広げるだけでは出口通過時間は短縮できません。階段内に階の在室者全員が収容できず、扉幅の拡大に応じて有効流動係数は小さくなるからです。出口通過時間を短くするには同時に階段内の有効面積を大きくする必要があります。また、階段の有効幅員以上に扉幅を広げても結果は変わらない事にも注意が必要です。
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