避難安全検証法に関わる内容/告示解釈・考え方階避難完了時間が耐火時間を超えてしまう(ルートB1)
最終更新日:2022.08.11
2階建ての大規模なショッピングモールに全館避難安全検証法の採用を検討しています。2階の避難完了時間は120分と算定されました。これは建物の耐火時間を超えますが、大きな排煙口を設けることで、階の煙降下時間は130分程度になり安全性能は確認されました。同様に全館避難完了時間70分に対し、全館煙降下時間は75分となりました。以上、避難安全検証法で定められた基準をクリアしますので、安全と判断して差し支えないでしょうか?
非常に危険な設計だと思います。避難完了時間が極端に長く算出されるのは階段の絶対数が不足しているためです。火災が発生すると、避難者はその階段に殺到しパニックを起こすでしょう。また出火から120分も経つと火災は建物全体に広がり、建物の耐火時間を超え倒壊する部分も生じます。この建物で火災が発生すると多くの犠牲者が出ることは間違いありません。
また、2階の階避難完了時間よりも全館避難完了時間の方が短く算定されていますが、実際にはあり得ない結果です。2階の在室者が階段内に避難する時間が120分なら全階避難完了時間は120分以上になると考えられます。これは告示の計算方法に問題があります。
建物は、まず、人を守るものでなくてはいけません。避難安全検証法には避難完了時間の上限は決められていませんが、建物の耐火時間を超えないようにし、少しでも余裕のある避難計画を立てるのが設計者の常識ではないでしょうか。
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