避難安全検証法に関わる内容/告示解釈・考え方1室しかない建物の階避難安全検証(ルートB1)
最終更新日:2022.08.11
1室しかない平屋建の店舗を計画しています。告示に従い以下の計算を行いました。
(1)居室避難計算を行い、対象居室で火災が発生した場合の、その居室の在室者が安全に避難できるかどうか確認する。
(2)階避難計算を行い、対象階で火災が発生した場合の、その階の在室者が安全に避難できるかどうか確認する。
この結果(1)では安全性能を有しましたが、(2)では、避難開始時間が無条件で3分加算されるため安全となりません。同じ建物で同じ火災を想定して計算を行ったのに結果が大きく違うことに納得できません。 階避難計算は省略できないものかと思いましたが「2001年度版 避難安全検証法の解説及び計算例とその解説」に、いかなる場合も計算は省略できないとあるので困っています。どう考えればよいのでしょうか。
(1)居室避難計算を行い、対象居室で火災が発生した場合の、その居室の在室者が安全に避難できるかどうか確認する。
(2)階避難計算を行い、対象階で火災が発生した場合の、その階の在室者が安全に避難できるかどうか確認する。
この結果(1)では安全性能を有しましたが、(2)では、避難開始時間が無条件で3分加算されるため安全となりません。同じ建物で同じ火災を想定して計算を行ったのに結果が大きく違うことに納得できません。 階避難計算は省略できないものかと思いましたが「2001年度版 避難安全検証法の解説及び計算例とその解説」に、いかなる場合も計算は省略できないとあるので困っています。どう考えればよいのでしょうか。
ご質問のように告示が想定していない計画の場合、避難安全検証法の基本から考えていく必要があります。告示の求める安全性能は、火災が発生した室の在室者の安全性は居室計算で、火災が発生した室以外の室の在室者の安全性を階避難計算で確認することになります。
従ってまず
(1)居室計算にて、対象の居室で発生した火災による煙やガスから安全に避難可能かどうかを検証します。
次に
(2)階避難計算にて、対象階で発生した火災による煙やガスから階全ての在室者が安全避難可能かどうか検証します。
ご質問の計画の場合
(1)居室計算は問題ないでしょう。
ところが
(2)階避難計算では、1室しかない
=検証の対象となる室が存在しないため、計算のしようがありません。
それでは、階避難計算は必要ないのではと思われますが、そうはいきません。居室計算と階避難計算とでは計算方法が若干異なり、結果が違ってくる可能性があるため省略できないのです。居室計算では避難に利用する最大巾の扉付近での火災を想定し利用できる巾をBeffによって算定するのに対し、階計算では火災室に設置された避難に利用する最大巾の扉は無条件で利用できないとにする必要があるため、出口通過時間に差異が生じる可能性があるからです。
さて、そこで考えなければならないのは避難開始時間です。階避難計算における避難開始時間は、火災が発生した室以外の室にいる在室者は火災の発見が遅れることから、床面積から算出される時間に3分或いは5分加算することになっています。
ご質問の計画の建物の場合、火災室は1室しかないのでこの加算は必要ありません。よって居室計算と同様、床面積から避難開始時間を算出し(加算時間無し)、階避難時間の計算を行い、階煙降下時間と比較すればよいと考えられます。また、階煙降下時間の算定については、建築基準法施行令第129条の2第3項5号に「当該火災室を除く」とあるのに従い「無限大」として検証を行えばよいと考えられます。
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